2025/11/04 12:20

夏ノ庭分室 「  柿落座  」 物件詳細
住所:鹿児島県日置市東市来町美山424 
現所有者:吉田耕平
築年:昭和55年の平屋建てを2025年1月よりリノベーション
土地面積:407m2
延床面積:98m2

土地価格:250万円
建物総改修費用:1250万円
販売価格:1500万円(税別)

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「 作り手の町美山の十年前とこれから 」

私が鹿児島美山に移住したのは今からちょうど10年前。
30歳を過ぎた頃から、どこか自然豊なところに自分のお店とアトリへを作ろうと思い始め
音楽活動、製作をしながら日本各地を回っていた。
鹿児島は友人の繋がりで何度か訪れていたが、始めて美山を訪れた時のことは今でもはっきりと記憶している。

大通りから竹林の小径に分け入ると、美しい光と影が遠くまでのびて
笹の葉が風に揺れ擦れる音がした。
カタカタと陶片の上を歩くように石畳を行くと
子供達の声が聞こえて、近くの窯から煙が立ち上っていた。
不思議なほどにゆっくりと時間が流れている気がした。

作る暮らしを求め、この場所へ移り住んだ十年前
これから木を削り、台所に立ち、音を楽しむようにあろうと思った日。

お店を始めてからは沢山の方から移住や、作り手として独立などの相談も受けてきた。
私も一年に一組は同じように美山へ移ってくる同世代が増えるようにしたいと思っていた。

がしかし、実際にはそう上手くはいかなかった。
現実には窯元は年々減り続け、移住の相談に来る方々も実現に至ることはかなり少ない。
この十年で美山の作り手の数が思うように増えることはなかった。

その大きな理由は、購入できる土地やすぐに始められるような建物がかなり少ないことだ。
思えば十年前の私の時も、土地はあるが広すぎる、持ち主が全く分からない状態がほとんどで
空家も中は全く片付けられず放置され傷んだ状態ばかり。
そもそもそういった情報がほとんど発信されておらず
移住してくる人にとっては誰を頼りにしたらよいかも分からない状態だった。

私はこのまま作り手が減り続けるの見過ごしていてよいものかと思った。
この町の未来を危ぶむだけではなく作り始めようと思いこの空家改修プロジェクトを始めた。

十年前の私のように
美山の地に心惹かれ、この場所に移りたいと思ってくれる次の世代へと繋がっていくように願っています。

夏ノ庭 / 吉田耕平

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